東京藝術大学 美術学部 デザイン科 Tokyo University of The Arts, Department of DESIGN

東京藝術大学Website日本語English

News

あそびのデザイン共同研究プロジェクト「B block and」

2020-04-30

第7研究室(Design Experience)が行ったあそびのデザイン共同研究プロジェクト「Bblock and」についてご報告します。

本プロジェクトは、こどものための環境づくりを幅広く手がける株式会社ジャクエツとの共同研究。同社が1960年代に開発した「Bブロック」を用いて、ブロックによる創造の拡張と可能性を探りました。

新たな価値創出としてブロックという要素に大学院生と学部生の8人が個性的な視点を加え、「あそび」を起点に試作や体験を繰り返してUXデザインとして実現しています。生活への彩りや、食や動植物との交わり、水や光による安らぎ、などを提供しています。

提案1「B-block and Fashion」(作:勝川由芽野) 柔軟性のあるBブロックで曲面を構成し、“着るブロック”を提案。「この提案を通して、子どもたちがファッションデザイナーのように服をつくれるブロックを、いつか開発してみたいと思いました」
提案2「B-block and Food」(作:谷口あかり) 本来ならブロックの裏にあたる構造部分に注目し、“食をもてなすブロック”を提案。「食べ物とブロックの色の組み合わせにこだわりながら、50組のバリエーションをつくりました。食料が入るとブロックの見え方が変わり、また、ブロックサイズの器に入ることで料理の印象も変わるのが面白かったです」
提案3「B-block and Music」(作:寺本有孝)  “音を奏でるブロック”を提案。「今回は黒が一般的なピアノをカラフルにしてみましたが、もっと怖そうなものや、お堅そうなもの、とっつきにくいものもブロックでつくってみたい。世界平和につながるかもしれません」
提案4「B-block and Quiz」(作:五十嵐亮太) 真上からの視点で描かれたあるものの絵を見ながら、実際にブロックでつくってみるクイズ。「ブロックは本来、“自由につくる”ための遊具。ですが、逆にこのクイズでは、つくるものを指定します。平面の情報を立体的にとらえる力を養うことができるクイズです」
提案5「B-block and Space」(作:森田あずさ、山根由子) 「このブロックは、パーツのスケールが大きいため身体サイズの家具がどんどんつくれます。“日常を侵食していける”このスケール感が面白いと思いました」
提案6「B-block and light」(作:大竹玲央) “発光するブロック”を提案。「光を透過するブロックを並べてピクセルを表現しました。下からの光は時間とともにゆるやかに明滅するようプログラミングされていて、ブロックの色ごとに異なる色調の変化を見せてくれます」
提案7「B-block and water」(作:山口聖奈) “水と戯れるブロック”を提案。「お風呂場などで使われる市販の水あそび用遊具は種類も限られ、あそび方も固定されています。それに対してブロックでする水あそびは、あそび方を自分で見つけられます。ブロックの浮きもすれば沈みもする絶妙な比重を利用して、スクウ、ウカベル、シズメルなど様々なあそびを楽しんでいただきたいと思いました」

各提案は、2019年9月藝祭展示で紹介しました。使われたブロックの総数は約7万ピースにのぼり、触ってあそべるこの展示は来場者が2千人を超え、大人も子供も多くの共感をいただきました。
関連記事:https://www.playdesign-lab.com/report/entry/1981

プロジェクトを通して見えた「Bブロックの特徴と新たな遊びの展開」をまとめました。作図:五十嵐亮太

プロジェクト担当教員

東京藝術大学美術学部デザイン科

  • 山﨑 宣由 (准教授)
  • 楠見 春美 (非常勤講師)
  • 青沼 優介 (教育研究助手)

プロジェクト参加学生

  • 五十嵐 亮太 (大学院修士1年生)
  • 森田 あずさ (大学院修士1年生)
  • 山根 由子 (大学院修士1年生)
  • 勝川 由芽野 (学部3年生)
  • 谷口 あかり (学部3年生)
  • 大竹 玲央 (学部3年生)
  • 寺本 有孝 (学部2年生)
  • 山口 聖奈 (学部2年生)