伊那市古民家プロジェクト 雲の子めぐってお昼ごはん
2019-12-19
描画・装飾研究室で行いました、伊那市古民家プロジェクトの報告をいたします。
長野県伊那市高遠町の塩供にある古民家を拠点として地域を見つめデザインやアートの力で現地の課題に取り組むプロジェクト。今年で3年目となる本事業では昨年度からの取り組みを引き継ぎつつ、新たな可能性を探っていった。
取材 実施期間 2019年5月11日(金)~13日(月)
塩供や高遠の取材を通して、地域の雰囲気や生活、人柄や教育にふれた。しおくの家付近にある、道祖神の花文字がその後のキーワードとなった。取材から得たことでそれぞれ意見交換をし、プロジェクトの可能性を探っていく。
主な取材場所 杖突街道、しおくの家、花文字(道祖神)、高遠第2第3保育園、信州高遠美術館、高遠歴史博物館 など
プレゼン 実施日 2019年6月27日(木)
東京藝術大学に伊那市の方々をお招きし、実施プロジェクトの案をプレゼン・検討を行った。
花文字オリジナル手ぬぐい ワークショップ 実施期間 2019年9月22日(日)~23日(月)
花文字をモチーフにしたオリジナル手ぬぐいを作るワークショップをしおくの家で実施した。1才から中学生まで、40人近いこどもたちが集まった。
普段ふれる機会のないシルクスクリーンを体験してもらい、手ぬぐいに簡単に美しく印刷を施すことができた。こどもたちはとても積極的で、おもいおもいのカラフルな手ぬぐいが出来上がった。
雲の子めぐってお昼ごはん 実施期間 2019年11月23日(土)~25日(月)
当初10月に予定していたが、台風の影響によりやむなく延期することになった。それにも関わらず、沢山の協力のおかげで実施することができた。
「雲の子めぐってお昼ごはん」では、花文字の手ぬぐいと地域の食材を物々交換することで人々の交流を目的とした。
24日の午前中はこどもたちを中心に、しおくの家周辺、三義地区、藤沢地区の3つにわかれリヤカーと籠や車で地元の方々の家を訪問し物々交換をした。集まった食材はしおくの家に集めた。予想以上に豊富な食材が集まり、驚いた。
午後にはしおくの家にて地元の方々の協力のもと集まった食材で料理をし、交流会を開催した。
カレー、おこわ、豚汁や漬物などたくさんの料理に囲まれながらこどもから大人まで暖かく、楽しく食事をした。食事をしながら、伊那市での生活や考え、こどもたちのなりたいものや好きなものの話を聞いた。しおくの家の玄関には、午前中に物々交換をして頂いた方々の写真を掲示した。
今回のプロジェクトでは手ぬぐいを制作することから始まり、それを物々交換し、その食材を調理し食事をする一連の流れが、単なるものづくりではなくコミュニケーションとなり、この地域の豊かさと暖かさを可視化させることができた。
【参加者】
東京藝術大学美術研究科デザイン専攻 描画・装飾研究室
押元一敏 准教授
小柳景義 非常勤講師
丸山素直 非常勤講師
澤村祐介 工房講師
倉田明佳 教育研究助手
河邉依莉乃 大学院修士1年生
蔡琴 大学院修士1年生
寺岡香織 大学院修士1年生
細川成美 大学院修士1年生
【協力】
伊那市
信州高遠美術館
高遠第2第3保育園と地域の未来を考える会
塩供地域の住民の皆様方