北茨城市 芸術によるまちづくりプロジェクト2019
2020-04-30
茨城県北茨城市では、芸術的な風土・資源を活用した、芸術によるまちづくり事業を推進しています。東京藝術大学デザイン科は2015年から、北茨城市の市民一人ひとりが気軽に参加できる創作活動を企画してきました。
2019年度は、北茨城市の名物であるアンコウをモチーフとして何かできないか、というアイディアから、アンコウ型の大きな鯉のぼりをつくるワークショップを企画しました。
事前に、アンコウ型の大きな鯉のぼりがどのような形で、どのような素材でできそうかを教員と学生で検証しました。
本当にできるかな…という不安はありつつも、材料や道具を揃えて初日。想像以上にたくさんの子ども達と保護者が会場である「期待場(旧 富士ヶ丘小学校)」に集まってくださいました。「みんなでつくりながら、その場その場で考えて工夫して、完成させよう!」を大切にします。
まず最初は、「どんなアンコウをつくりたい?」というテーマでそれぞれが絵を描きました。サッカーが好きだから、サッカーボール柄のアンコウを描きたい!虹色、キラキラにしたい!など様々です。
この時、隣の大きな部屋では鯉のぼり用の大きな布を広げていました。この布は、北茨城市で手描き鯉のぼりを作成されている三國屋さんに用意していただきました。
いよいよ、子ども達が思い思いに描く時間の始まり、あっという間に魅力的な色が広がりました。
1日目の終盤は、描かれたアンコウの背中側とお腹側をミシンで縫い合わせ、扇風機で風を通してみました。一気に形が膨らみ、アンコウになった時はみんなで喜びました。
2日目はお腹側を描きました。背中側と違いをつけるため、色はパステルトーンで統一させました。
色塗りが全部終わってから、細かな部分を手作業で縫い付けました。全貌が見えてくると、子どもたちは中に入りたくてうずうず。交代交代で中に入って遊びました。
そして無事に完成しました!風になびくかな…という心配をよそに、逆に風が強すぎて危険なほどなびき、急いで集合写真を撮影して、壊れる前に下に降ろしました…。
今回のワークショップでは想像以上に子ども達や保護者が集まってくださり、また、途中に何度も見学に来てくださった地元の方々もいました。大作を協力しながら、考えて工夫をしたり、喜びを共有することは、他に変えがたい素晴らしいコミュニケーションになります。最後、お互いに別れがたい全員の顔が印象的でした。この作品は現在、制作場所でもあった期待場(旧 富士ヶ丘小学校)に展示されているそうです。
プロジェクト担当教員
東京藝術大学美術学部デザイン科
- 橋本 和幸 (教授)
- 丸山 素直 (非常勤講師)
- 柚木 惠介 (非常勤講師)
プロジェクト参加学生
- 久保 あずさ (大学院修士卒業生)
- 川名 泰夢 (学部4年生)
- 関根 蒼太 (学部3年生)
- 勝川 由芽野 (学部3年生)
- 谷口 あかり (学部3年生)
協力
- 北茨城市市民の皆さま