東京藝術大学 美術学部 デザイン科 Tokyo University of The Arts, Department of DESIGN

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福島研修旅行2019

2019-05-13


デザイン科では、新入生は入学早々の福島研修旅行で親交を深めます。発案は橋本和幸先生と、福島県出身の箭内道彦先生。福島への研修旅行は今年で3回目になりますが、毎年二日間とは思えないような濃密スケジュールで会津地方をめぐり、さまざまな体験をします。

東京では見慣れない動植物や気温の変化を感じながら、塔のへつりやさざえ堂、白虎隊十九士の墓をめぐり旅はスタートします。特に上野を出発する際に散っていた桜は、福島ではちょうど満開を迎えるタイミング。思いがけず今年2度目の春の訪れを感じることができました。


金山町では、「風とロック CARAVAN福島(rfcラジオ福島)」の公開生放送に学生全員で登壇・出演。初日に訪れた名所や、大内宿と名物のねぎそばなど、福島の風土と魅力について感じたことを存分に語りました。また、次の日に仮説住宅の方々にプレゼントする予定のオリジナルエコバッグを全員で掲げ、会場の皆さまにお披露目。


二日目の最初に訪れたのは、めごい菜農園。農園を営む渡辺さんご家族とともにウドの収穫体験をしました。採れたてのウドは、まるでセリのようなスッとする苦味と強い甘味が絶品です。茎の部分は自家製味噌で生のまま、葉の部分は天ぷらにしていただきました。天ぷらの調理には箭内先生も加わり、美味しく、そしてなにより思い出深い収穫体験となりました。


こちらは、西会津国際芸術村での赤べこの絵付け体験の様子。野沢民芸の早川さんのご指導のもと、制作時間45分の強行スケジュールで絵付けを体験しました。青・赤・黄色の絵の具のみを駆使し、キウイ柄、木目や花柄など、個性豊かな赤べこを制作しました。
絵付け後は、西会津国際芸術村のレジデンス見学。この西会津国際芸術村は、廃校となった中学校の木造校舎を利用した施設。ギャラリーやワークショップを併設し、アーティスト・イン・レジデンスを行っています。


お昼の喜多方での「ラーメン紀行」を経て、旅の最後を締めくくるのは大熊町の仮設住宅訪問。仮設住宅に避難されている方々に、学生オリジナルのエコバッグをプレゼントします。このエコバッグは、一年生が入学してはじめてデザイン・制作するもので、シルクスクリーンや刺繍など工夫を凝らして作られています。デザインのモチーフとなっているのは、福島の風土や名物、人々の絆です。
住民の方々からは仮設住宅での生活の様子や日々の苦労をお聞きし、学生はエコバッグに込めた自分たちの想いをプレゼンテーションしました。


出会いと発見に恵まれた旅の思い出を飾るのは、磐梯山・猪苗代湖を背景にした学生たちの笑顔。
帰路で立ち寄った猪苗代湖畔での集合写真は、偶然出会ったカメラマンの方に撮っていただいたものです。最後まで、福島の人たちの温かさを感じる旅でした。