新入生に向けてのメッセージ
2020-04-15
入学おめでとうございます。授業開始が5月になり、皆さんの希望にあふれる顔をいまだ直接見ることができないのが残念でなりません。
デザイン科では現在、新型コロナウィルス感染症の拡大防止の対策として、本年度は授業スケジュール変更やオンライン授業の推進などに取り組んでいます。これまで先輩方が受けたかたちとは違う授業の進め方になりますが、「手を動かして考える」ということを途絶えさせることなく、皆さんの学びが例年同様に充実したものになるように、教員全員でいま知恵を絞っています。
デザインは望ましい未来を実現するための人間の営みです。それは幸福を願う思いがあって始めて成り立つものです。本学で長く教鞭をとり、多くの秀でたデザイナーを育てた工業デザイナーの小池岩太郎は、「デザインは、自然や人生の営みの美しさの高揚を願う態度と行為」と言っています。
いま、新型ウィルスのために世界中の人たちが、生きづらさを感じています。生きづらさを克服し、活力に満ちた世界を取り戻すために何ができるのか──それを考えるのがデザインの根幹だと私たちは考えます。
2020年は世界中の人が記憶を共有できる特別な年になりました。きっと何十年経っても「あの時どうしてた?」と語り合うことができるでしょう。新型コロナウィルスへの対応は長丁場になる可能性があります。この先、皆さんにはいろいろ我慢を強いることも出てくるかもしれません。
しかし、この年をデザインの学びの特別な年だと考えてみてください。望ましい未来のために2020年をどういう姿勢で過ごすかを考え、実践していくことが、君たちの、そして私たち教員の、新しいデザインの学びになるでしょう。
情勢は変化していきます。大学からメールは必ず眼を通すようにしてください。私たち教員は、情勢の変化に合わせて皆さんの学びを最大限にサポートしていきます。イレギュラーなスタートとなりましたが、皆さんの4年間の大学生活が充実したものになることを願っています。
デザイン科教員一同