ガラスを素材として用いた新しい生活道具の研究
2020-04-30
デザインガレージで担当したAGC×GEIDAI研究プロジェクト報告
AGC×GEIDAIプロジェクトは1年目に油画科、2年目にガラス造形研究室、そして今年度デザイン科との取り組みが3年目となる研究プロジェクトです。
これまでAGCとの研究で生まれた表現やAGCの持つ技術やノウハウを元に、ガラスを用いた新しい生活道具の研究開発を実施しました。この取り組みは、デザインをしてモックをつくるという、ごく一般的なプロセスだけではなく、前年度に担当したガラス造形研究室や取手FACTORY LABとも協力し、デザインから実物の制作まで、ものづくりを全て学内でおこなったものです。
私たちの生活は、ガラスがなければ成り立たないと言っても過言ではありません。生活空間、乗り物の窓、スマホ、アクセサリー、ボトルなど、毎日常にガラスに囲まれています。ガラスに対する人のイメージはそれぞれで、綺麗という人もいれば、もろいし危ないという人もいます。しかしあまりに当たり前のように身近にあるので、ガラスが大好き!という人は珍しいでしょう。
ちょうど一年前くらいでしょうか。世間では海洋プラスチックゴミについて、多くの議論が飛び交っていました。利便性や生産性、コストなどにより、本来ガラスの市場だったところがいつの間にかプラスチックに変わり、今こうして地球環境が危ぶまれる原因となっています。だからこそ今ガラスのことを考え、社会のことを考えたいというのがこのプロジェクトの根っこにあります。AGCは素材としてガラスをつくるメーカーですが、今回はガラスが道具としてどのように生活に入っていけるか、人に寄り添うか。今社会が抱えている問題に対してガラスという素材がどう解決していけるか。そんなことを考えながらAGC社員と藝大の学生が真剣に手を動かし考えました。
「道具としてのガラスのデザイン」をおこなうにあたり、AGC社員と藝大生混合チームを3チームに分けて制作しました。
制作にあたっては、社会課題+デザインというキーワードを与え大きな方向性として、社会の問題を解決する?または未来をつくる?(新規創造)としてデザインがアプローチする2つの方向を作り、チームごとに進めました。ここではその成果物の発表を報告させていただきます。
プロジェクト担当教員
東京藝術大学美術学部デザイン科
- 山﨑 宣由 (准教授)
- 佐々木 里史 (非常勤講師)
東京藝術大学美術学部ガラス造形研究室
- 藤原 信幸 (教授)
- 地村 洋平 (非常勤講師)
- 多田 えり佳 (教育研究助手)
東京藝術大学GEIDAI FACTORY LAB
- 三枝 一将 (非常勤講師)
- 寺田 健太朗 (教育研究助手)
プロジェクト参加学生
- 松元 悠馬 (デザイン科)
- 高田 ちさと (デザイン科)
- 橋本 瞭 (デザイン科)
- 木下 裕司 (デザイン科)
- 大竹 玲央 (デザイン科)
- 小松 実紀 (ガラス造形研究室)
- 袁 方洲 (ガラス造形研究室)
- 濱田 敬史 (ガラス造形研究室OB)